CICS Libertyとは

LibertyはWebSphereアプリケーションサーバ技術のモジュール型の実装技術で、過去のWebSphereアプリケーションサーバのランタイムに比べて、軽量かつダイナミックなランタイムを提供します。

z/OS上のCICS Libertyを使うと、Java EE WebアプリケーションをIDE（統合開発環境）上で開発し、CICSに組込むことができるので、JavaのWeb開発者はCICSのアプリケーションを開発、拡張、更新ができます。

CICSのJVM(LibertyのJava Virtual Machine)サーバ上でJava EE Webアプリケーションを実行するメリットは、CICSリソースにアクセスする容易さと速さです。
Webクライアントからのリクエストは、Libertyに入って、Java EE WebサーバのようにJavaスレッドで実行されます。しかし、LibertyサーバはCICSのJVMサーバの中で動作しています。これは、リクエストがCICSトランザクションとしても実行されることでJavaスレッドがCICSに統合されます。即ち、データベースやファイルのようなCICSリソースに対するアクセスが最適化されます。

JENNIFERによるモニタリングと分析

JENNIFERはJavaの性能情報と通常のCICS性能情報をリアルタイムで提供します。

• CICS GP / zIIP 使用量
• レスポンスタイムと保留時間
• JVM性能情報
• トランザクションプロファイル： SQL、ファイルとCICS API カウント

＊ GP と zIIPの説明
GP（General Processor/General CPU）は従来のアプリケーションを処理するメインフレームの汎用プロセッサーです。
zIIP（IBM z Systems Integrated Information Processor）は メインフレームの汎用プロセッサー装置とは非同期で稼働し、Javaのような新規の負荷を処理する費用対効果が高い専用プロセッサーです。

メインフレームのJavaアプリケーションはzIIPとGPを併用して、ジョブの初期化、I/Oインタラプトの制御、OSとのユーザインタラクションの制御等を行います。

しきい値起動のイベントアラート

JENNIFERは異常なトランザクション（例えば、バッドレスポンスタイム、トランザクションエラーと例外、SQL文の誤り等）を捕捉して、リアルタイムにアラートを発出します。

CICS Javaアプリケーションの分析

JENNIFERはGPとzIIPの使用量を表示します。

また、レスポンスタイム、CPU時間、Javaの性能とアプリケーション処理の情報（DB2のSQLカウント、VSAMファイルのアクセス情報、CICS APIカウント等）のCICS性能情報を表示します。

特定時間のアプリケーションの状態を表示します。

レポートの作成

様々なレポートを自動作成します。

CICS性能データの収集方法

JENNIFERエージェントとCICSモニタリングプログラムでCICS性能データを収集し、JENNIFERサーバに転送します。

＊ JENNIFERの性能情報は、モニタリングデータの収集のタイミングの違いによって、SMFのCICSモニタリング情報とは若干異なっています。

CICSオプションは実行中にオンとオフを動的に切替えできます。

CICSユーザのJENNIFER導入事例

• CICS LibertyへHTTPリクエスト
• COBOLとJava間のLink
• MQ JMSのモニタリング
• Javaバッチジョブのモニタリング
• CICS LibertyとWebSphereポータルの間の統合モニタリング