X-ViewはJENNIFERの代表的なチャートです。多くのユーザがX-Viewの分布を見るだけでシステムの状態を直観的に把握できます。今回、新規に追加されたパターン分析機能は、これまで直観に依存していたX-View分析の結果を数値化して、システム運用担当者と開発担当者あるいはユーザ間などで、円滑なコミュニケーションを実現するために開発されました。

変更のあったX-Viewパターン機能について、理解し易いように以下に整理して説明します。

Q1. X-Viewリアルタイムパターン分析はメトリクス異常検知と類似した機能ですか?

異常状態を検知する目的は同じですが、分析対象のデータが異なるために技術的な処理方法や結果も異なります。弊社では多様なメトリクスとトランザクションデータを総合的に分析する研究を進めているため、パターン分析にも、メトリクス異常検知にも精通しています。

Q2.X-Viewリアルタイムパターン分析の開発の背景を説明してください

X-ViewはJENNIFERの代表的なチャートです。多くのユーザがX-Viewの分布を見るだけで、システムの状態が正常か異常かを直観的に判断できます。

一般的に「トランザクションにエラーが無く、X-Viewの下段に点が集まっていれば良好な状態」ということは、大半のJENNIFERのユーザは知っていますが、X-Viewがどのような分布のときに「異常だがどの程度、どのように異常か」を判断することは簡単ではありません。

また、ユーザ毎にトランザクション分布は正常の基準が異なる場合があります。経過時間の長いトランザクションが多いユーザでは、X-Viewのy軸の最大値にデフォルト値より大きい値を使うこともあります。同じユーザでもモニタリング担当者毎にポリシーや状況により、正常状態の基準が異なることがあります。

そのため、新しいパターン分析機能では直観に依存してきたX-View分析を 「どの程度の異常なのか、どのように異常なのか」を数値化してコミュニケーションできるように設計しました。

Q3.変更があったX-Viewパターン機能について説明してください

画面上で変更された点は１つです。トランザクション分布をベースに、X-Viewチャートの上段にシステムが正常か異常かをリアルタイムで次のように表示します。 緑色のメッセージが表示されると正常で、赤色のメッセージが表示されると異常で注意が必要です。

その仕組みは、正常パターンとマッチングするか、線形モデルの結果値が50%以上であれば、システムが正常であると判断して緑色のメッセージを表示します。逆に、異常パターンとマッチングするか、線形モデルの結果値が50%未満であれば異常であると判断して赤色のメッセージを表示します。

X-Viewパターン分析は次のパターンマッチングモデルと線形モデルの分析結果を組み合わせて行います。

パターンマッチングモデル：

システムに登録されたパターンの中で、現在のパターンと最も類似したパターンを探して、どの程度類似しているのか0~100%のパーセンテージで表示します。

システムに登録されたパターンは正常状態と異常状態があります。現在のパターンが正常状態のパターンとの類似度が高ければシステムが正常であると判断します。

線形モデル：

遅延トランザクションまたはエラートランザクションが含まれている状況により、0~100%で正常状態の確率をパーセンテージで表示します。数値が高い程、正常に近いことを示しています。

正常状態の数値は遅延トランザクションとエラートランザクションの量と反比例します。問題になるトランザクションの数が多くなると数値が低くなるような直線グラフになります。

Q4.リアルタイムパターン分析のメリットは何ですか?

誰でもが簡単にシステムの状態をリアルタイムに把握できることです。正常と異常の判断が容易で、異常の場合も緊急性が高いのか、様子見をするのか、運用部門での明確な指標が作れることです。

また、サーバに負担を与えない方式であるため、リアルタイム分析ができることです。

パターン分析の過程で演算量は増加しますが、X-Viewパターン分析はモニタリングサーバではなく、ブラウザ内で行うように設計しました。そのため、サーバのリソースを大量に使用することも、サーバ追加の必要もなく、現状のサーバ環境のまま使用できます。